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『優秀or無能』 27KB 制裁 自業自得 番い 飼いゆ 赤ゆ ゲス 希少種 現代 18作品目。テスト勉強の空き時間の間に書きました。 注意書きです。 1 希少種が出ます。 2 酷い目にあうゆっくりと、そうでないゆっくりがいます。 3 スジが通って無い可能性があります。 それでもOKと言う方のみ、どうぞ。 「おい!そこのくそばばあ!まりさたちが、おまえのかいゆっくりになってやるのぜ!」 「れいむたちがかいゆっくりになってあげるよ!こうえいにおもってね!くそばばあ!」 「……は?」 ……そこは、とある街中の、とある公園。 その公園のベンチに座っていた一人のお姉さんが、二匹のゆっくりに絡まれていた。 その絡んでいるゆっくりとは、成体サイズのれいむとまりさだった。 「いやいやいや、何を言っているのかさっぱり分からないんだけど」 このお姉さんはジャージ姿でジョギングをしており、その途中で休憩の為に立ち寄った公園のベンチで一休みをしている最中だった。 すると突然、隣の茂みの方からこの二匹が飛び出し、お姉さんに絡んできたのだった。 「はあぁ……。やっぱりくそにんげんは、おつむがかわいそうなのぜぇ……」 まりさはやれやれといった表情で、わざとらしくため息をついた。 「しかたないよまりさ!ばかなにんげんに、すぐにりかいしろっていうほうがむずかしいもん!」 そんなまりさの様子を見たれいむは、励ますようにそう言った。 「薄汚い野良ゆっくりを喜んで飼いたいっていう方が馬鹿だと思うんだけどね……」 「ゆっ!?くそばばあ!まりさたちはのらなんかじゃないのぜ!」 「そうだよ!れいむたちはかいゆっくりなんだよ!」 お姉さんに野良呼ばわりされた二匹は、頬を膨らませながらそう抗議した。 「は?飼いゆっくり?何で既に飼われているゆっくりが、自分達を飼えっていうのよ?それに、あんたらバッジ付いてないじゃない。さっぱり訳が分からんわ」 お姉さんの言う通り、二匹の帽子や髪飾りには、バッジはどこにも付いておらず、お姉さんは余計混乱してしまった。 「まぁまぁ、くそばばあにもわかるように、まりさがいちからせつめいしてやるのぜぇ?それに、これはくそばばあのためにもなるのぜぇ?」 「私の為?」 「そうだよ!いまかられいむたちのありがた~いおはなしを、よ~くりかいしてね!」 二匹は無い胸を反らすかのような姿勢で、自信たっぷりにそう言った。 (……うーん。本当は一発蹴り飛ばしたいんだけど、こいつらが本当に飼いゆっくりだったら……) 飼いゆっくりに怪我をさせると、後で色々と面倒事になりかねないと思ったお姉さんは少し悩み、とりあえず様子見する事にした。 本当はこの二匹を無視するのが一番なのだが、ジョギング後の疲れが残っているので、ベンチから立ち上がりたくないというのも理由の一つに含まれていた。 「まぁ、話くらいは聞いてやるわ。……あと、私の事をクソババア呼ばわりするのは止めなさい。私、まだ十九なんだから」 「ゆっへっへ、そんなのは、まりさのじゆうなのぜぇ~?」 「……」 お姉さんは挑発まがいの態度を取ったまりさをギロリと睨んだ。 「おお、こわいこわい!それじゃあ、さっさとはなしをはじめるのぜぇ?それじゃあれいむ、せつめいするのぜぇ?」 「あのね、れいむたちは、きんばっじさんをもっている、とってもゆうっしゅうっなかいゆっくりなんだよ!」 れいむは自信満々にそう言った。 「金ゲスな飼いゆっくりの間違いじゃないかしら……」 「ゆぁ~ん!?なにかいったのぜぇ!?くそばばあ!」 「いや別に?さっさと続けてよ」 「……まぁ、つづけるのぜ。まりさたちはとってもゆうっしゅうっだけど、まりさたちのかいぬしが、とんでもないむのうで、げすなくそじじいなのぜ!」 「そうなんだよ!ほんとうに、あんなくそじじいがれいむたちのかいぬしなんて、うんのつきとしかいえないよ!」 「……ちなみに、そのゲスな飼い主さんって、どんな事をしたの?」 「まりさとれいむがすっきりー!することをぜったいにゆるさないっていうのぜ!」 「かくれてすっきりー!したときにできたおちびちゃんをみせたら、すぐにつぶしちゃったんだよ!」 「そして、まりさとれいむのきんばっじさんを、うばいとりやがったのぜ!」 「くそじじいは、『やくそくをやぶったばつだ、はんせいしたらかえす』って、わけのわからないことをいったんだよ!」 「ゆっくりごろしのげすのくせに、とんでもないことをいうのぜ!」 「そうだよね!れいむとまりさの、あいのけっしょうのおちびちゃんを、かんたんにつぶすなんて、しんじられないよ!」 二匹は息を捲し立て、次々と喋りまくった。 「……つまり、あんたらはすっきりーする事を禁止されてたけど、隠れてすっきりーしたと。で、それで出来た子供を潰され、罰として、反省するまでバッジ没収。……そういう事?」 お姉さんは二匹の言い分を何とか要約し、そう言った。 「ゆぁ~ん!?くそばばあ!そのいいかたはまるで、まりさたちがわるいみたいなかんじなのぜぇ!?」 「いや、そうじゃないの?約束破ったのはあんたらなんだし」 「とってもかわいいおちびちゃんをころしたげすよりも、れいむたちがわるいっていうの!?」 「普通そうなんじゃないのかなぁ……。……で、それで?あんたらはどうしたのよ?」 「とうぜん、まりさたちはばっじさんをかえすようにめいれいしたのぜ!」 「なのにくそじじいは、きんばっじさんをかえさなかったんだよ!?しんじられないよ!ほんとうに!」 「だから、まりさたちはきめたのぜ!」 「何を?」 「きまってるのぜ!あんなくそじじいは、こっちからみかぎってやるのぜ!」 「……あんたら、家出してきたの?」 「いえでなんかじゃないのぜ!みかぎったっていってるのぜ!」 「まりさのいってること、りかいできる!?ばかなの!?しぬの!?」 (馬鹿はあんたらだと思うんだけどねぇ……) 二匹の勝手な言い分と行動に、すっかり呆れ果てたお姉さんは、口には出さなかったが心の中でそう思っていた。 「……で?その飼い主さんはどうしたの?迎えに来たの?」 「あのくそじじいは、まりさたちのことをむかえになんかこなかったのぜ!まぁ、むかえにこられても、こっちがこまるのぜ!」 「あんなくそじじいのところにぎゃくもどりなんて、しんでもごめんだよ!」 「……ふーん」 二匹の返答を聞いたお姉さんは、少し微笑んだ。 「ゆぁ~ん!?くそばばあ!なにをわらってるのぜぇ!?」 「いや?何かあんたらに少し興味を持ったかな~って」 お姉さんは明後日の方向を見て、口笛を吹きながらそう答えた。 「だったらべつにいいのぜ!それで、まりさたちは、あたらしいかいぬしをさがすことにしたのぜ!」 「れいむたちのゆうっしゅうっなぶぶんをきちんとりかいできる、みのほどをわきまえたかいぬしにね!」 「つまり、くそばばあがゆうっしゅうっなまりさたちをかえることは、とってもこうえいで、じまんできることなのぜぇ?」 「これでわかったでしょ?だから、れいむたちがかいゆっくりになってあげるね!くそばばあはちゃんとりかいしてね!」 そう言い終えた二匹は、ようやく理解したかとばかりの表情でお姉さんを見ていた。 「あんたらの言いたい事は、大体分かったわ。……じゃあさ、今度は私の方から三つ質問させてよ」 「ゆっへっへ!まぁ、いいのぜぇ?」 「ゆふふっ!なにがききたいの?」 「まず一つ目。あんたら、どこが優秀なの?」 「ゆーっへっへっへ!まりさは、そんじょそこらのゆっくりなんかよりも、ずっとたふで、ぱわふるで、とってもつよいのぜぇ!」 「あんた、強いの?」 「あったりまえなのぜぇ!くぞじじいのところにいたころは、おうちせんげんしようとしたのらを、なんかいもぎったんぎったんにしてやったのぜぇ!」 「それだけじゃないよ!まりさ、たべものさがしも、とってもじょうずなんだから!れいむのじまんのだんなさんだよ!」 「ゆへへ、てれるのぜぇ、れいむぅ……」 れいむに褒められたまりさは、体をクネクネさせながらそう返した。 (きめぇ……) 「れいむはね!こそだてじょうずで、おちびちゃんにえいっさいっきょういくをほどこせて、とってもかしこいんだよ!」 「子育て上手なの?子供いないのに?」 「おちびちゃんはくそじじいにぜんぶつぶされちゃったんだよ!とってもゆっくりした、かしこいおちびちゃんたちだったのに……」 「ゆっへっへ!それだけじゃないのぜ!くそばばあ、れいむのおなかをよーくみてみるのぜ!」 「腹?」 まりさにそう言われたお姉さんは、れいむの腹を見てみると、下腹部が少しだけ膨れていた。 「……あんた、腹の中に子供がいるの?」 「ゆゆ~ん!そうだよ!れいむとまりさの、あいのけっしょうだよ!れいむは、とってもかしこくて、ゆっくりできるおちびちゃんもうめるんだから!」 「はーん……。じゃあ、二つ目の質問。何で、人間が馬鹿だと思うの?」 「ゆぁ~ん?そんなのきまってるのぜぇ!にんげんは、まりさたちゆっくりよりも、ぜんぜんせいちょうするのがおそいからなのぜぇ!」 「え……?それが理由?」 まりさの返答に、お姉さんは面喰ってしまった。 「あたりまえでしょ!?れいむたちは、おちびちゃんのころからおとなになるまで、あっというまだっていうのに、にんげんはぜんぜんせいちょうしないじゃない!」 「おちびだって、しゃべれるし、じぶんでごはんをたべたり、うんうんやしーしー、はねてうごくことだってできるのに、にんげんのくそがきは、それができないのぜぇ?」 「れいむやまりさがおとなになっても、にんげんのくそがきはまだこどもなんて、おかしいよねぇ?」 「これじゃあまるで、みじゅくゆとおんなじなのぜぇ!せいちょうするのがおそすぎるなんて、あわれにもほどがあるのぜぇ!」 「……成る程、良く分かったわ。……それじゃ、最後の質問。あんたら、私があんたらを飼ったら、本気でゆっくり出来ると思ってる?」 「はあぁ……。くそばばあ、いまさらなにをいっているのぜぇ?そんなの、あたりまえにきまってるのぜぇ?」 「こんなにゆうっしゅうっなれいむたちをかえるっていうことは、めいよてきなことなんだよ?ばかなの?しぬの?」 二匹は呆れ顔でお姉さんにそう言った。 「……うん、成る程成る程。あんたらの言いたい事は分かったわ。……取りあえず、一言言ってもいい?」 「ゆっへっへ!『かわせてください、ごしゅじんさま』とでもいうのぜぇ?」 「れいむたちのすばらしさがわかったってことは、ひとつかしこくなれたことだから、かんしゃしてね!」 二匹は自分達の優秀さと素晴らしい考えがお姉さんに伝わったと確信し、ニヤリと笑い……。 「自分が飼われると本気で思ってるの?馬鹿なの?死ぬの?」 「「……ゆ?」」 お姉さんのその言葉に、目を丸くして数秒固まり……。 「「は……、はあぁぁぁぁっ!?」」 何を言っているんだとばかりの叫び声を上げた。 「いやいやいや、あんたら、私が本気であんたらを飼うって思ってたの?嫌に決まってるじゃん、どう考えてもさぁ」 「まりさはとってもゆうっしゅうっなのぜぇ!?なんでよろこばないのぜぇ!?」 「優秀(笑)ですか。良かったですね、優秀(笑)で。だったら馬鹿な人間の私なんかに飼われなくても、十分生きていけるのでは?」 「ゆっ!?」 「れいむたちは、きんばっじさんをもっているんだよ!?」 「あのねぇ、家出して何日経ったのか分からないけどさぁ、飼い主が一向に探しに来ない時点で、捨てられたって事が分からないの?」 「ゆぅっ!?」 「あんたら、自分から見限ったって言ってるけど、それは違うよ。……見限られたのは、あんたらの方だよ」 「なにをいってるのぜえぇぇぇぇっ!?そんなの、くそじじいのみるめがなかっただけなのぜえぇぇぇぇっ!?」 「見る目が無かったから、懲りたんじゃない?こんなゲスを飼うんじゃなかったって」 「れいむはげすなんかじゃないぃぃぃぃっ!!」 「他のゆっくりや人間を見下して、馬鹿にしている奴のどこがゲスじゃないと?」 「「ゆうぅっ……!!」」 自分達の言い分が、お姉さんに全く通用せず、二匹は黙り込んでしまった。 「あれ?何で黙ってるの?全部図星だったから?それとも、自分達が実は全く優秀なんかじゃない、普通のゆっくりだって気付いたから?」 「まりさはつよいのぜえぇぇぇぇっ!?よわくなんかないのぜえぇぇぇぇっ!!」 「れいむはこそだてがじょうずなてんっさいっなんだよおぉぉぉぉっ!!」 「まぁ、そこでずっとそう言ってなさいな。私、馬鹿で無能だから、あんたらの優秀さも、素晴らしさも、もちろん飼い方も分からないから、飼えないわ」 「「ゆうぅぅぅぅっ!!」」 「じゃあね、これからもその優秀っぷりを発揮して、強く生きなさいな」 そう言うとお姉さんはベンチから立ち上がり、二匹に手を振って、公園から出ようとし、二匹に背を向けた。 「ゆ……、ゆがあぁぁぁぁっ!!ふざけるなあぁぁぁぁっ!!」 お姉さんの言動に殺意を覚えたまりさは、お姉さんの足に体当たりをかました。 「っ……」 それにより、お姉さんは少しよろめいてしまった。 「ゆ、ゆっへっへ!どうなのぜぇ!!いたいのぜぇ!?いたいにきまってるのぜぇ!?」 「……いやー、凄い、凄いわ」 お姉さんはまりさの方を振り向くと、そう言った。 「ゆーっへっへっへ!これでまりさがくちだけじゃないってことが「強いって言ってたわりには、さっぱり痛くなかったわ」……はあぁぁぁぁっ!?」 「でも、一発は一発だからね」 お姉さんはそう言うと、まりさのお下げを掴み、持ち上げた。 「あぎいぃぃぃぃっ!?はなぜえぇぇぇぇっ!!ばりざのおさげがあぁぁぁぁっ!!」 「あ、離してほしいの?」 お姉さんはあっさりとそう言って、両手でお下げと髪の毛を掴み……。 「はい、離した」 まりさを地面に叩き付けた。 「び……、びゃあぁぁぁぁっ!?いだいぃぃぃぃっ!?ばりざのびゅーてぃふぉーなかおがあぁぁぁぁっ!?」 顔面から地面に叩きつけられたまりさは、痛みの余り転げまわっていた。 「ま、まりさ!?ゆだんしちゃだめだよ!」 「ひぎいぃぃぃぃっ!!そんなのはわかっているのぜえぇぇぇぇっ!!」 「そうそう、油断しちゃあ駄目だよねぇ」 お姉さんはそう言うと、転げまわっているまりさを押さえつけ、再び持ち上げた。 「!?や、やべ」 まりさの制止を無視し、お姉さんは再びまりさを地面に叩き付けた。 「ぎゃばあぁぁぁぁっ!?ばりざのまっじろなはがあぁぁぁぁっ!?しんじゅのようなおべべがあぁぁぁぁっ!?」 今度は顔だけでなく、まりさの飴細工の歯がボロボロと折れ、右目には鋭く尖った石が突き刺さっていた。 「ま、まりさ……?も、もう、てかげんしなくていいんだよ!?はやく、そこのくそばばあもころしてね!」 「なんかクソババアクソバババ呼ばれて傷付いたなー。そうだ、あんたらがクソババアって言った回数だけ、同じ事をしようか」 「「ゆうぅぅぅぅっ!?」」 「まりさが十回、れいむが二回、計十二回だけど、さっきれいむがまたクソババアって言ったから、十三回、つまり、あと十一回ね」 お姉さんは笑顔でそう言ったが、目は全く笑ってはいなかった。 「びいぃぃぃぃっ!?やべろおぉぉぉぉっ!!」 「はいはい、強いんでしょ、あんた。だから我慢してね」 ベチャッ 「ぎゃあぁぁぁぁっ!?だずげでえぇぇぇぇっ!?」 「大丈夫大丈夫、殺したりなんてしないから」 グチャッ 「ぎゅぼえぇぇぇぇっ!?いだいのぜえぇぇぇぇっ!?」 「頑張れ、あと九回だから」 ビチャッ 「ばあぁぁぁぁっ!?やべろぐぞばばあぁぁぁぁっ!!」 「あーあ、また言った。十回に戻ったよ」 ギチャッ ボチャッ ブチャッ 「ぼ……、ぼうゆるじでえぇぇぇぇっ!!ごべんなざいぃぃぃぃっ!!ぼういだいのはいやだあぁぁぁぁっ!!」 とうとうまりさは痛みに耐えきれず、命乞いをし始めた。 「えー?あと七回なんだから、頑張ってよ」 「ごべんなざいぃぃぃぃっ!!ばりざはむのうですうぅぅぅぅっ!!ゆうっじゅうっなんがじゃありばぜえぇぇぇぇんっ!!」 「あ、やっと分かった?」 「わがりばじだっ!!わがりばじだがらあぁぁぁぁっ!!だじゅげでえぇぇぇぇっ!!」 「ばりざあぁぁぁぁっ!?なんでそんなくぞば「だばれえぇぇぇぇっ!!くぞばばあっでいうなあぁぁぁぁっ!!」ゆうぅぅぅぅっ!?」 「いや、今言ったし。全然反省してないねぇ、あんた」 「ごべんなざいごべんなざいごべんなざいぃぃぃぃっ!!」 「……ま、良いか。大分スッキリしたし」 お姉さんはそう言うと、まりさを地面へ放り投げた。 「ぶべっ……」 「ま、まりさあぁぁぁぁっ!?」 れいむがまりさに必死に呼びかけるが、まりさはビクビクと痙攣しているだけで、れいむの呼びかけには全く答えなかった。 「ど……、どぼぢでえぇぇぇぇっ!?どぼぢでごんなごどずるのおぉぉぉぉっ!?」 「いや、ムカついたから何となく」 お姉さんはあっけらかんとそう答えた。 「ひどい……、ひどいよおぉぉぉぉっ!!れいむたち、なにもわるく……、ひっ!?ひぎぃっ!?」 突然、れいむが奇声を発し、脂汗をダラダラ流しながら震え始めた。 「あ」 お姉さんがれいむの下腹部を見てみると、れいむの産道から、ふてぶてしい笑顔の赤ゆが顔を覗かせていた。 どうやら、まりさ種のようだ。 「ゆゆ~ん!まりちゃがうみゃれるのぢぇ~!」 「お、おちびちゃあぁぁぁぁんっ!!いまうばれぢゃだべえぇぇぇぇっ!!」 れいむには分かっていた。 今このまま赤まりちゃを産もうものなら、産道から飛び出た勢いで、赤まりちゃは地面に激突する事を。 本当ならまりさの帽子をクッション代わりにして産むはずだったのだが、今のまりさではそんな事をする気力も体力も無いだろう。 「いやなのぢぇ!まりちゃはうみゃれりゅのぢぇ!」 当然、そんな事は赤まりちゃに理解出来るはずもなく、その体が徐々に産道から出始めていた。 「お……、おねえざあぁぁぁぁんっ!!おねがいでずうぅぅぅぅっ!!おぢびぢゃんをどべでくだざいぃぃぃぃっ!!」 もはやれいむには、お姉さんに頼む他、道が無かった。 「えー?私がー?あんた子育て上手で優秀なんだから、自分で何とかしたら?」 「ごべんなざいぃぃぃぃっ!!でいぶはむのうでずうぅぅぅぅっ!!おぢびぢゃんをだずげられない、むのうでずうぅぅぅぅっ!!」 「ゆゆ~ん!きゃっこいいまりちゃのたんじょうなのぢぇ~!」 「うばれぢゃだべだっでいっでるのにいぃぃぃぃっ!!」 「……しょうがないなぁ、おちびちゃんを出さないようにすれば良いんでしょ?」 お姉さんはやれやれといった感じでそう言った。 「おねがいじばずうぅぅぅぅっ!!」 「はいはい、分かりましたよ」 そう言うと、お姉さんは足元にあった、大き目の石を掴み……。 「ゆっ!?なにを」 「そぉい!」 れいむの産道目がけ、その石を思い切り投げつけた。 「ぴゃ」 「……ゆ?」 自分の産道から、何か潰れるような音が聞こえ、ワナワナと下を見ると、自分の産道に、お姉さんの投げた石が挟まったいた。 「ゆ……!よ、よかったよ!これでおちびちゃんはでてこないね!」 「うんうん、確かに出れないね。だって潰れたんだもの、そりゃあ出て来れないわね」 「……は?」 「言ったでしょ?おちびちゃんを止めろって。だから潰して止めてあげたのよ。ゆっくり理解してね?」 「ゆ……、ゆわあぁぁぁぁっ!!じねえぇぇぇぇっ!!ゆっくりごろしはじねえぇぇぇぇっ!!」 ここに来て、ようやくお姉さんが赤まりちゃを殺したと理解したれいむは、お姉さんに罵声を浴びせた。 ……が。 「ひぎいぃぃぃぃっ!?」 再びれいむの腹部に激痛が走り、産道に埋まっていた石が、餡子と帽子と一緒にボトリと落ちた。 「ゆゆ~ん!ちゅぎはれいみゅのばんだよぉ~!」 「ひぎいぃぃぃぃっ!!おちびぢゃあぁぁぁぁんっ!!だべだっでばあぁぁぁぁっ!!」 ……れいむの腹の中にいた赤ゆは、一匹では無かった。 本当なら喜ぶべきであったのだが、状況が状況であった。 「あらら。まだいたのね。そんじゃ、その子も止めますか」 お姉さんは再び石を拾い……。 「や、やべで」 「せぇい!」 「ぴぃ」 お姉さんが投げた石は、再び産道へ命中した。 「やべろおぉぉぉぉっ!!これいじょうおぢびぢゃんをごろずなあぁぁぁぁっ!!」 「えー?だって止めろって言ったのは、あんたでしょ?」 「うるざいぃぃぃぃっ!!ゆっぐりごろじのげすは……、はぎぃっ!?」 「ゆ~ん!ぷりちーなれいみゅもうみゃれりゅよぉ!」 三匹目である。 「あらぁ……、なんかキリが無いなぁ……」 「やべろくぞばばあぁぁぁぁっ!!もうおぢびぢゃんをごろずなあぁぁぁぁっ!!」 「……言ったね?」 「ゆっ!?」 「またクソババアって言ったね?」 そう言ったお姉さんは、今度は石ではなく……、ボロボロになったまりさを掴んだ。 「あ……、あぁ……」 れいむは、お姉さんが何をしようとしているのか、分かっていた。 ……だからこそ、お姉さんの怒りを鎮める為の言葉を詮索していた。 ……そして。 「ゆ、ゆる」 「せぇい!」 その言葉は聞き入れられる事は無かった。 「べっ……」 「ぼえぇぇぇぇっ!?」 自分の下腹部にまりさの体が当たり、れいむはまりさの下敷きになった。 「ゆ……、ゆ、げぇ……」 れいむの下腹部から、赤ゆだけでなく、自分の餡子がドクドクと流れ出ていた。 「で、でいぶの、おちび、ちゃん……、あんござ……、ん……」 「ゆ、ゆぐぅ……」 「ば……、ばりざ……、さ、さっさと、どけぇ……!」 れいむはそう言うと、体を思いきり捻らせ、自分の上からまりさを落とした。 「ゆっぐぅ……」 「い……、いだい……、いだい、よぉ……」 二匹は体中を襲う痛みから、うめき声を上げていた。 「あー!すっきりしたー!ちょっと疲れたけど、良い汗かいたわ!」 そんな二匹の姿を見て、お姉さんはさっぱりとした笑顔でそう言った。 「……のぜ?」 「ん?」 「ど……ぼぢ……で?ごんな、ごど……、を」 見ると、先程の衝撃で意識が幾らか戻ったまりさが、息も絶え絶えにそう問いかけていた。 「いや、さっきも言ったじゃん。ムカついたからって」 まりさは気絶していたのでその理由はまりさは知らなかったのだが、そんな事はお姉さんにとってどうでも良かった。 「ゆ……ぐうぅ……」 「……あのさぁ、あんたさっき、人間は馬鹿な生き物だって言ったでしょ?」 「ゆ……」 「確かに人間はあんたらゆっくりと比べると、成長が遅いけど、その代わり、色んな事を学んで、体験して、少しずつ、少しずつ成長するのよ」 「……」 「あんたらはさ、確かに最初のうちから色々出来るよ。……でも、色々な面で、成長がストップしてるじゃない。特に精神が」 「……」 「だから自分達よりも、ずっと強い人間に喧嘩を売れるんでしょ?」 「……」 「まぁ、この事を教訓にするって事で、また一つ賢くなれたから、良かったじゃない」 「……」 「それじゃ、私ジョギングに戻るから。……バイバイ、飼い主さんに許して貰えると良いね?」 「……」 ……お姉さんはまりさに色々と話しかけたが、まりさは怒る気力すら無いようで、ただ黙っていた。 れいむも同様で、ただ痛みに呻いているだけで、まりさの代わりに返答する気も無いようだ。 お姉さんは別に返事が欲しかった訳ではなく、ただ自分の考えを言いたかっただけなので、特に問題は無かった。 お姉さんは公園の入口まで走っていき、公園を出た。 「うーん……、やっぱりゆっくり相手にちょっと大人げなかったかな……?」 歩道へ出たお姉さんが走りながらそう呟くと、向こう側から、男性と小さな女の子が手を繋いで歩いて来るのが見えた。 お姉さんと、その男性と小さな女の子との距離が徐々に縮み、そしてすれ違った瞬間、ある事に気付いた。 ……その女の子は、髪の毛や服が青く、背中から、氷のような羽が生えていて、胸には銅バッジを付けており、そして顔付きが人間のものと比べると、遥かに大きかった。 (……この子、ゆっくりだ) お姉さんはその子が胴付きのゆっくりだと分かったが、それが何のゆっくりなのかは分からなかった。 (あっ……、もしかしてこの人達、公園に用があるのかな……) ふと、そんな考えが頭の中に浮かんだ。 (出来れば、公園から出る所を見られてなければ良いんだけど……) あの二匹をそのままにしておくのではなく、ダストボックスにでも入れれば良かったと思い、お姉さんは少し後悔しながら、走っていた。 ……公園の方を振り向く事は、無かった。 「ゆぅ……、あ、あの、くそばばあ……」 「ば、ばりざ……。けががなおったら、あのくそばばあを、せいっさいっしてねぇ……」 あれから、ほんの少しだけ体力が回復した二匹は、お姉さんがいないのを良い事に、色々と好き勝手言っていた。 「ゆぐ……。ば、ばりざを、こんなめにあわせやがってぇ……」 「れいむたちは、ゆうっしゅうっ、なんだよぉ……」 優秀な自分達に、こんな苦痛と屈辱を味あわせた、あの女だけは許せない。 二匹の頭の中には、身の程を弁えない怒りが込み上がっていた。 ……と、その時である。 「ゆっ……?」 「ど、どうしたの?ばりざ……」 「む、むこうのほうから、だ、だれかくるのぜ……」 まりさの視線の先には、公園の入り口からこちらの方へやって来る、人間の男性と、胴付きゆっくりの姿があった。 「ち、ちょうどいいのぜぇ……。あ、あのにんげんに、まりさたちをたすけるように、いうのぜぇ……」 「め、めいあんだね、ばりざ……」 あの人間に自分達を助けるよう命令し、まずはこの傷をゆっくり癒そう。 そう考え、二匹はニタニタと笑っていたが、その男性の顔を見て、その笑顔が凍りついた。 「なぁ、ちるの。ちるのはこの公園に来るのは初めてだよな?」 「うん!あたい、いっぱいあそびたいよ!」 その男性は、胴付きゆっくり……、ゆっくりちるのに、笑顔でそう尋ねていた。 ……その男性は、二匹がよく知っている男性だった。 「く……、くそじじいぃぃぃぃっ!?なんだそのばかそうなぢるのはあぁぁぁぁっ!?」 「なんでくそじじいがぢるのなんかといっじょにいるのおぉぉぉぉっ!?」 ……その男性は、二匹が散々無能と罵倒していた、二匹の飼い主だった。 「あ?何だお前ら?」 「おにーさん、しってるの?」 「いや、知らん」 「ふざけるなあぁぁぁぁっ!!ばりざのきんばっじさんをとりやがったくせにぃぃぃぃっ!!」 「がえぜえぇぇぇぇっ!!でいぶのおぢびぢゃんをがえぜえぇぇぇぇっ!!」 「ん……?まさか……、お前らなのか?」 「おにーさん、だれ?」 「あぁ、俺が前に飼っていた奴らだよ」 「やっとおもいだしたのぜぇ……!」 「ちょうどいいよ!れ、れいむを、たすけてね……!」 二匹は飼い主に自分達を助けるよう命令した……、が。 「冗談言うなよ。もうお前らは俺の飼いゆっくりじゃないんだから。それと、もうお前らのバッジはとっくに処分してるよ」 現実は非情であった。 「「はあぁぁぁぁっ!?」」 「何でだか分からないのか?二週間前、お前ら俺との約束をちっとも守らないで、勝手にすっきりーして、勝手にガキをこしらえたじゃないか」 「そ、それがなんなのぜぇ……!?」 「どうでもいいから、さっさと」 「俺はそれでもお前らを追い出したりはしなかった。きちんと反省して、ちゃんと謝れば、バッジは返すって言ったじゃないか」 「「ゆっ……」」 「なのにお前らは、俺が寝ている間に窓を割って、どこかへ逃げ出したじゃないか。……だから俺は、お前らを見限ったんだ。こりゃ駄目だと思ってな」 「「ゆぐぅ……!」」 「それに、その姿。……多分、さっき公園から出た女の人にやられたろ?お前ららしいな。気に入らない奴には、すぐ喧嘩を売るんだから」 「ま、まりさは、けんかなんかうってないのぜぇ……!」 「あ、あのくそばばあが、わるいんだよぉ……!」 「……まぁ、お前らがそんな性格になっちまったのは、俺の躾不足もあるんだろうが。……やっぱ、ゆっくりショップで安物の金バッジゆっくりなんて買うんじゃなかったな」 「「……」」 「俺とお前らが出会った時から、そんな性格だったから、俺はその性格を直そうと頑張ったんだが、結局無理だったって事だな。性根が腐ってやがるからなぁ」 「ま、まりさは、くさってなんか、ないのぜぇ……」 「いやいや、お前家に入って来た、栄養不足の子ゆっくりをゲラゲラ笑いながら、散々いたぶって嬲り殺しにしてたろ」 「れ、れいむだって……」 「お前の産んだ赤ゆは全員ゲスだったろ。覚えてるぞ、あの日俺に見せた赤ゆ共、全員『ゆっくちちにぇ!』なんて言ってたからなぁ」 「「ゆぎぃ……」」 「……まぁ、結局お前らは、自分が一番って勘違いしている、馬鹿ゆっくりだったって事なんだよ」 飼い主はボリボリと頭を掻きながらそう言うと、面倒臭そうにそう言った。 「「ぎ……ぎぎぃ……」」 二匹は悔しさから歯ぎしりした。 「……ゆっくりってさ、中途半端に賢いよりも、ちょっと馬鹿なくらいが丁度良いかなって思ったのさ。……だから、俺は今、ちるのと一緒にいるんだよ」 飼い主はそう言うと、ちるのの頭の上に、自分の手をポンと置いた。 「確かにちるのは馬鹿さ。多分いくら頑張っても、良くて銀バッジ止まりだと思う。でもさ、馬鹿でも良いんだよ。大事なのは……、そいつの本質だ」 「「……」」 「少なくとも、お前らみたいな救いようのない大馬鹿野郎共と比べれば、十分賢いさ」 そう言うと飼い主はちるのの方へと目を向けた。 「なぁちるの。俺の言ってる意味、分かるか?」 「わかんない!」 胸を逸らし、自信満々にそう答えたちるのに対し、飼い主は少し顔を緩ませた。 「それで良いんだよ。お前は。それが一番お前らしいと思ってるからさ。……ちるの、今日は遊ぶのは止めて、パスタの専門店にでも行くか」 「うん、わかった!」 飼い主とちるのはそう言うと、二匹に背を向けた。 「ま……、まつんだぜぇ……!」 「お、おいていかないでぇ……!」 二匹は飼い主を呼び止めようとしたが、飼い主はそれを無視していた。 「ちるの、ナポリタンが良いか?それともカルボナーラ?」 「あたい、おうどんがたべたい!」 「さすがにそれは無いなぁ……」 後ろを振り向く事無く、飼い主とちるのは笑いながら、公園から出ていった。 ……公園に残されたのは、ボロボロの姿の二匹だけだった。 「ま……、まりさは……!とってもゆうしゅう、なのぜぇ……!」 「どぼぢで……?どぼぢで、だれも、れいむたちを、みとめないのぉ……!?」 二匹は認めようとはしなかった。 自分達が、本当は優秀でも何でもない、ただの普通……、いや、それ以下のゆっくりであるという事を。 自分達が一番だと妄信し続けた結果がこれである。 ……そして、公園の入口の前に、一台の車が止まった。 運転席と助手席に、灰色の作業服を着た二人組の男性が座っており、助手席側の男性が車から降りた。 「やれやれ、こんな所にも野良ゆっくりがいるぜ。毎日毎日野良ゆっくりを処分しても、キリがねぇや」 そう言った男性の胸には、『野良ゆ駆除員』と記入されたプレートが貼られていた。 「まぁ文句言うなって。あの二匹、よく分からんけどボロボロだし、手間はかからんだろ」 運転席に座っていた駆除員が、相方である男性にそう言った。 「ま、確かに手間はかからんわな」 そう言って、助手席側の駆除員は、二匹の方へと静かに歩いて行った。 「しねぇ……!まりさをむのうなんていうげすは……、みんなしねぇ……!」 「れ、れいむは……!かしこいんだよ……!とっても……!とっても……!」 二匹は自分達に近づいてくる駆除員の存在には全く気付いていない様子だった。 ……最も、気付いていたとしても、その体では逃げる事もままならないのだが。 ……この二匹は無能なのかと言うと、決してそうでは無いのかもしれない。 何故なら、この二匹にはちゃんと優秀な部分があったのだから。 最も、その事に気付く事は一生無いのだが。 「やれやれ、ああいうゆっくりはゴミっぷりだけは超一流なんだよなぁ……」 駆除員のその呟きは、二匹に聞こえる事は、無かった。 END あとがき 突然ですが、私が書くSSのほぼ九割には、希少種のゆっくりが出ます。 何故そんなに希少種を出すのかと言うと、色々と個性が強いゆっくりが多いので、キャラ立てがしやすいと思っているからです。 逆を言えば、私は希少種無しでは、ネタ出しが難航してしまう未熟者と言う事なのですが。 私も他の作者様のように、綺麗にまとめられるSSを書きたいです。 ご意見、御感想、お待ちしています。 作者:ぺけぽん 感想用掲示板はこちら http //jbbs.livedoor.jp/otaku/13854/ ミラーはこちら http //www26.atwiki.jp/ankoss/pages/1.html 今までに書いたSS anko1656 クズとゲス anko1671 うにゅほのカリスマ求道記 anko1767 あなたは、食べてもいい○○○○? anko1788 そんなの常識ですよ? anko1926~1928 二人はW ~Yは二度と帰らない~ anko2079 しんぐるまざー anko2750 無意識だから anko2786 ともだち anko3189 おちびちゃんは大切だよ! anko3210 バクユギャ anko3221 根本的な間違い anko3249 お兄さんは興味が無い anko3261 それぞれの願い anko3319 好みは人それぞれ anko3330~3331 HENNTAI達の日常~メスブタの家出~ anko3343 HENNTAI達の日常~駄メイドの休日~ anko3360 可哀想なゆっくり
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https //youtu.be/tQtl4Av8sLE https //youtu.be/GVf9hpDOvM4 https //youtu.be/Nb7iIh8_jdU https //youtu.be/XK1P6kL34Ag
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日本から無能議員を追放しよう!! 日本が真の民主主義国家になれないのは、無能な議員が多過ぎるからではないでしょうか。とくに腐敗しているのは地方議会の議員です。政見放送も選挙公報もなく、特定の支持者の票で当選し、議員特権を振りかざしてはメチャクチャな行動をしています。 このWikiでは、随時無能議員に関する情報を提供していきます。
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総理訪問に立ち会っていた古川が、田中総理に変装したZ団団長とその部下達がガスマスクを被りだした時に言う台詞である。 普通ガスマスクを被った時点でおかしい事に気付くが、(製作の都合上)気付かない事から、おや、どうしたんだろう(無能)とされる。
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■基調講演(概要) ※全文を読まれる場合はこちら 発表者:稲継 裕昭(大阪市立大学大学院法学研究科長) 1 公務員制度改革 公務員制度改革という言葉はよく聞かれるが、いくつもの誤解がある。改革推進派と改革抵抗勢力の両方があるのが普通だが、みんな賛成している。 ただし、賛成の中身が違う。様々なアクターで各論がバラバラである。 国家公務員制度改革の場合であるが、与党では、自民党行革本部や自民党政務調査会で進めたものの、公明党では閣議決定後に一部クレームがついた。制度官庁では、内閣官房で進められたものの、総務省人事恩給局や人事院は蚊帳の外に置かれた。各省大臣官房では、政策官庁は未来志向で変える人材を求める意向が強かったが、事業官庁は今抱えていることを粛々と変えていく人材を求めるなど異論が多かった。 職員団体は団体によって様々だが、労働基本権と天下り批判に注目し、経済界は天下り批判と公務員の働きぶりへの注文が多かった。マスコミは人件費削減と天下りや今のシステムに注目し、様々な有識者グループは様々な意見があり、かみ合わない議論が展開されている。 それでは、制度の改革が必要であるかと思われるが、現行法の枠内での制度・運用改革ができるはずである。制度趣旨と運用実態の乖離が最大の特徴である。 例えば能力実績給与の導入論があるが、これは現行法にもあるのであり、運用実態が変わらなければ制度を改革したことにはならない。他に、内部昇進を意味するクローズドキャリアシステム、遅い選抜システムと積み上げ型報奨の年功所列制度、他国と比べ異端の労働基本権の制約が現行制度の特徴である。 さて、今次の公務員制度改革は、2001年12月の「公務員制度改革大綱」(閣議決定)があり、これには「2006年予定」と「地方も」の記述がある。2000年9月自民党行革本部で始まり、12月の行革大綱、2001年1月には橋本担当大臣 と経産官僚によって内閣官房行革事務局公務員制度改革室が発足した。 なお、1990年代にも公務員制度改革はあったが、制度官庁間の綱引きともいえるものであった。 また、国家公務員制度改革は外からの改革とも言える。官への信頼低下、バブル崩壊等による経済政策不信、リクルート事件以降の不祥事等による制度改革の大合唱による改革であるからである。 2 地方公務員「制度」改革 国(自治省・総務省)において、2001年の閣議決定後、総務省公務員課での法案づくりが検討されたものの、現行法の枠内での制度・運用改革を求められた。 また、地方公務員制度改革は内からの改革とも言え、改革の先鞭役でもある。現行法の様々な取り組みの中で組織の問題を抱えていたからである。 例えば30年代から40年代の大量採用世代の高齢化により、いびつな年齢構成となり、ポストの増設、意思決定の遅延、上昇志向をなくした職員が増えてしまった。これは牧歌的な地方自治行政時代ならば対応可能であったが、1990年代以降の自治体を取り巻く大きな嵐には対応できなくなった。1993年の細川連立政権誕生以降、地域発で対応の必要のある問題が急増したことから分権改革が進んだ。1994年から1995年頃から財政悪化は共通認識となった。 NPMという言葉は1990年頃、イギリスのクリストファーフッドによって始まり、1996年から1997年に日本に持ち込まれ、あっという間に広まった考えである。また、1980年代以降の情報公開による住民からの突き上げも増え、それまで行われていた官官接待が明らかになり、批判が強くなったのも大きい。 これまでは地方が中央をもてなすこととこのことが許されることと認識されていたことが、これで批判され、なくなった。 また、インターネットなど情報の伝達スピードの革命的な発展により、他の自治体の政策をすばやく知れるようになった。また、従来の自治体職員向け雑誌は実務記事や昇任試験対策であったが、現在の主流は新たな取り組みの紹介 である。 さて、現場では短期間にNPMを初めとする様々な大改革が行われてきたが、改革メニューのホッジポッジ(ごった煮)で大混乱が起きている。 コンサルタントは初めに知識を吸収するために格安で請負い、パッケージ化して他自治体に売るようになった。しかし、現場ではそれを安易に利用する場合があるが、時代環境の変化に組織が対応できていないなどでうまくいかないここ とが多い。専門的部分で使うのはいいが。 また、組織の要である人事制度を変えることが必要で、対応できる組織への改革と合わせて対応できる人材を育成しなければならない。改革の最大の抵抗勢力は特権階級でもある人事と財政のうちの守旧派である。この既得ステータス に手をつける必要がある。 3 組織・人事制度改革を考える際に考慮すべきいくつかの「ギャップ」 首長は4年任期の政治家であり、40年勤続保証の職業公務員とは認識のギャップがある。首長のミッションは「住民福祉の向上」など曖昧であり、再選されるかが評価基準である。 しかし、首長にとってはアウトカムであり、不確定な外部要因が多い。ベースにある単位を比べると、首長は2~3年くらいを見ている場合が多く、変革の必要性を直に実感している。ただし就任初年度は予算や人事が決まっているのがネックである。 一方、職員は、10年、あるいは次の昇任等を見ているなど様々で、現場での煩わしさは実感できるものの、変革の必要性を実感しにくいものである。そこで、面従腹背といった行動パターンとなりうる。そこで、打開策として、首長がミッショ ンを示し、目標、グループの目標へと降ろす取り組みが必要である。 また、人事制度を改革し、目標を共有し、それを実感できる職員の育成が必要である。 職員間のギャップもある。団塊以前と団塊、団塊と中堅・若手、同年代の中でも「考える職員」と「作業しているだけの職員」、「作業能率がよくて時間内に終了する職員」と「効率が悪くて残業手当がもらえる職員」などがある。オイルショック以前は「でもしか公務員」が多かったが、以降急変し、自治体職員のポテンシャルが向上した。 しかし、一方で「こんなはずじゃなかった」と考えるなど、モチベーションやモラールは低下していった。優秀な職員とは組織や時代により可変的である必要がある。 組織のミッションを遂行するに足る職員とは頭脳明晰・成績優秀、改革連呼の職員とは限らない。地に足のついた仕事ができているかが大事である。NPMのブームの中、心地よい響きにとらわれることなく、日々の業務をこなし、今までのベースで改革を自ら実行する職員を指す。 人事、財務、企画は間接部門であり、これらの官房系統組織が「我々はサポート組織である」という意識改革が必要である。そのため建制順の一番下に置くべきである。これは国民にとってどうでもいいものがトップにある現状の改善であ る。既に佐賀県庁では昨年度から経営支援部門として一番下に置いている。 4 人材育成・人材開発の方向性 研修所研修で人材が育つかを職員アンケートしたところ、「育つ」との回答は10%であった。人事部と職員の認識にはギャップがあり、「自学」とその刺激が人材育成の鍵である。 例えば新しい仕事を任されたことで自ら成長したと認識する場合が多い。そのためには、人事管理と人材育成の連携が重要で、従来の職場外研修と自己啓発補助・職場研修の組み合わせから、今後は人事諸制度・職場研修と職場外 研修というシステムへの変更が必要である。 さらにこれには、ジョブローテーションと仕事の与え方の仕組みを考えた上で変えていく必要があり、自学を促す人事評価制度が必要である。これまで勤務評定は地方公務員法でやらなければならないのにかかわらずやっていない自治体が多かった。 人事評価の目的と役割は以下の2つである。職員の今の状態を知り、評価して、それに基づいて政策を立て実施すること、行動規範を提示して職員の行動を変えることである。 評価は期待の表明であり、期待する人物像を示す。人事評価することで、職員の能力が向上し、それが住民のサービス向上となる連鎖が大切である。 また、人事評価も組織業績を上げるための1つの手段にすぎない。 自学を促す「研修」とするためには、職場からどういう人をどうキャリアデザインしていくかが大切である。職場外研修とその改革は、研修担当者の能力が問われている。 自己啓発研修と呼ばれているものは、高次の自学をしている職員へのサポートとすべきである。 すなわち、これからは、行政研修から行政研究とし、自学をいっそう刺激するものとして、サポートしていくことが大切である。研修を受けさせるという発想からモチベーションを上げる方向が必要なのである。 (概要録以上) ■基調講演全文記録 自治体職員有志の会「シンポジウムin西宮」基調講演録 1.日 時 平成17年8月27日(土)14時30分~15時15分 2.場 所 西宮フレンテホール 3.講 師 稲継裕昭教授(大阪市立大学大学院法学研究科長・法学部長) 4.テーマ 公務員制度改革と人材開発 5.内 容 以下のとおり 皆さんこんにちは。稲継でございます。宜しくお願い致します。 今日、私に与えられたテーマは「公務員制度改革と人材開発」です。お手元の資料の32ページ以降のところにレジュメがあり、概ねこれに沿ってお話をさせて頂きます。 1.公務員「制度」改革 「公務員制度改革」につきましては、皆さん最近何度も何度も聞いておられると思いますが、この「公務員制度改革」はいくつもの誤解があると思います。まず改革というと、郵政の民営化でもそうですが、改革に賛成する者と反対する者が存在する事が普通の改革だと思います。しかし公務員制度改革については誰でも賛成ですので、9.11の総選挙の争点にはなりません。誰でも賛成ですが、賛成の中身がそれぞれ違います。様々なアクターがいて、それぞれの争点毎に改革の推進勢力と抵抗勢力がぶつかり合っている、それが公務員制度改革です。ですから「公務員制度改革にあなた賛成ですか」と聞かれて「反対です」と答える人はおそらく誰も存在しません。そういう意味では非常にミステリアスなワードであり、マジックワードであると私は思っています。 国家公務員制度改革についてまず考えてみると、お手元に多くのアクターをレジュメに書き込んでおります。与党、自民党の行革本部、以前は太田本部長のもとで検討が進められましたが、その後、前総務相である片山虎之助を委員長とする片山委員会ができ、ある程度の方向が出されました。自民党の政務調査会、この中にも財政改革委員会というものが存在し、ここでかなり公務員、特に人件費について相当議論がなされている最中です。それから公明、これは公務員制度改革大綱の閣議決定に賛成した与党の一員ですが、その後に国家公務員の第1次試験合格者数、最終合格者数の4倍という事について、待ったをかけています。 制度官庁はたくさんあります。内閣官房行革事務局、ここは2001年の省庁再編と同時に公務員制度等改革推進室がスタートしました。そこで主に活躍したのは経済産業省の官僚の方々で、むしろ本来の制度官庁である人事院、総務省人事恩給局はどちらかといえば蚊帳の外に置かれていたという事がこのアクターの環境です。 各省の大臣官房、政策官庁と事業官庁では公務員制度改革についてどの様に持っていくかという事について相当異論があります。政策官庁は未来志向でどんどん変えていこうという人材を求めています。しかし事業官庁としては、今抱えている様々な事業を粛々とやっていける人材が欲しいという事です。それに伴って求める人材が異なってきます。また、あるいは現業をたくさん抱えている省の大臣官房秘書課は組合交渉が非常にしんどいので、どちらかと言えば改革勢力に対する抵抗勢力と見られがちです。 職員団体についても一致しているわけではなく、全国組織の連合組織と各省の中央団体、それから各省の出先機関毎のそれぞれの職員団体と非常な戦闘的な組合から非常に温厚な組合まで様々あります。この職員団体はどちらかというと労働基本権の回復を言い、どちらかと言うと天下り批判を展開します。 経済界もやはり天下り批判という点では一致するが、公務員の働き振りについて相当強い注文を付けます。 マスメディアに至っては、天下り批判をするところから様々な人件費の批判をするところ、それから今のシステム自体に問題点を感じているところまで様々です。 有識者もA、B、Cと書いていますがたくさんグループがあり、仰っている方々毎に様々な論点があり、必ずしもかみ合わない議論が展開されています。 制度の改革と言われる訳ですが、今の制度自体が問題であるか、現行法を変える必要性があるのかという議論があります。現行法の枠内で様々な制度、運用改革が出来るのではないかという事が私の持論です。現行制度の特徴についてはレジュメに書いていますが、一番の特徴は「制度趣旨と運用実態の乖離している」という事が日本の公務員制度の特徴です。非常にシニカルな見方かもしれませんが、本来法律で規定されているもの、それから法制度が予定していた趣旨というものを実は実現していません。そうでないところで運用実態があります。法制度外のところで運用実態が変わらなければ結局何も変わらないというのが公務員制度だと思います。 例えば能力実績主義、現行制度を能力、実績に見合った給与に変えなければならないとマスメディアは盛んに書きます。そして現行法を変えなければだめだと言いますが、現行法でも能力実証主義が書かれていますので、能力、実績に基づいた公務員制度にしようと思うと、今の制度趣旨を徹底すればできます。ところが、それは各省の大臣官房秘書課毎にそれぞれ思惑が違い、組合毎に思惑が違うため、なかなか一致した結論となりません。 その他にもクローズドキャリアシステム、遅い選抜システムと積み上げ報奨、労働基本権の制約を書いています。内部昇進が徹底している事が一つの特徴です。同時採用、同時選抜、同時昇進がある一定の年齢まで続く、これは見方を変えれば年功序列という事になるかもしれません。 それから労働基本権が制約されている事は、諸外国から比べれば非常に特異な事例であり、人事院という制度も諸外国の例を見れば、珍しい例です。 こういった特徴がある現行公務員制度ですが、(1)に書いた様に制度と実態が乖離しているのに、制度を変える議論ばかりしている、それで何が変わるのか、私のいつも申し上げている事です。 今次の公務員制度改革を見ていくと、2001年12月に公務員制度改革が閣議決定されました。この閣議決定の中では、「2006年に制度改革を行います、地方もこれに合わせてやります」と書かれています。当時、公務員の間には大きな衝撃が走りました。2001年1月から省庁再編によって、内閣官房行革事務局が発足し、元総理大臣が行革担当大臣になるという異例なことがありました。そして、彼が経済産業省官僚の方々、特にT参事官と新聞でよく書かれた方がタッグを組んで、公務員制度改革をやろうとされました。これが2001年3月の大枠、最終的に12月の閣議決定につながりました。 この一連の流れは90年代の公務員制度改革の流れとかなり違います。90年代にどういう事があったか皆さん思い出して頂きたいと思いますが、制度官庁間の綱引き、人事院と総務庁人事局の綱引きがあり、それに対し各省の大臣官房秘書課から様々な投げかけがありました。 そもそも制度改革のきっかけは1990年代に入ってからの官僚不祥事、特にキャリア官僚、労働事務次官、文部事務次官などキャリア官僚トップが逮捕されるという、想定されていなかった事態が起こったことにありました。従来の日本の公務員制度では、現場の官僚やノンキャリが不祥事を起こすことはあっても、キャリア官僚が将来の天下り、80歳まで面倒見てくれる恩恵を棒に振ってまで、数百万程度の事で妥協するはずがないと誰もが信じきっていました。 ところが90年代に入り、単にリクルートや福祉汚職だけではなく金融不祥事がありました。官庁の中の官庁、大蔵省の不祥事では、非常にいかがわしいところに高級官僚が足繁く通っていたことが明るみに出ました。これはマスコミネタになり、お茶の間のワイドショーに公務員の不祥事が毎日の様に出るようになりました。 この官への信頼低下、それから経済政策の失政、特にバブル崩壊に対する不信(「大蔵省は何をやっていたんだ」との声)、様々な不祥事が、公務員制度「改革」の大合唱へとつながりました。このように、国家公務員制度改革は、外からの改革がその特徴と言えるでしょう。 2.地方公務員「制度」改革 他方、地方を見てみますと、2001年の閣議決定で地方も国に合わせて改革を行う事になり、総務省公務員課で法案を作りました。ただやはりこの地方公務員制度と呼ばれるもの、又は地方公務員法と呼ばれるものも国家公務員と同じように、制度趣旨と運用実態の乖離がありました。これが一番大きな特徴であり、法制度改革といっても「何を変えるの」と聞きたいわけです。 地方公務員の場合は、様々な問題を露呈していた為に、むしろ国より先じて改革が始まっています。国の各省庁に比べて地方自治体の方が、改革の先導役になってきていると思っています。地方の場合は、いわば内からの改革エネルギーが働いています。 様々な問題とは、団塊の世代、これから2007年以降退職を迎える方々ですが、昭和30年代後半から昭和40年代前半に大量採用した集団が、どんどん高齢化していったことがまずあげられます。「管理職になってしまった集団」とあえて言わせて頂きますが、彼らが従来係長になるであろう年齢に係長になれないとすると、これは非常に可哀想な事であるという事から、係長同格ポストの主査を作る、あるいは課長になっていたはずの年齢に課長になっていないとすると可哀想であるとの温情から、人事課は一生懸命様々なポストを作るという、ポストの増設を行ってきました。 それによりある程度の上昇志向なり、モチベーションダウンを避け得てきたのですが、逆に言えばポストの増設によって意思決定が遅延するなどの様々な問題が起きてきました。これは今日お越しの皆様が一番良く実感しておられるところだと思います。 年功序列で管理職に「なってしまった」集団があります。多分牧歌的な地方自治の時代であれば、それでも十分対応できたかもしれません。霞ヶ関で意思決定をし、県庁に下ろし、県庁から市町村に下ろし、その通り実行する。独自の自治体行政であると言いつつも、国の各省庁からの財政誘導があり、そちらにシフトするという事をやってきた時代、あまり考えずに県に聞けば良い、中央省庁に聞けば良いという時代があったかもしれません。しかし90年代以降、自治体を取り巻く大きな嵐が吹き荒れているように私自身感じています。 特に分権改革は93年連立政権誕生以降加速しました。55年体制が崩壊し、従来の中央での意思決定の仕組みが相当変わりました。従来は自民党の政調会と各省との事前折衝で概ね政策が決定されてきた政策決定プロセスがありますが、与党8党の連立政権が誕生し、この様な意思決定システムが相当変わってきました。変わってきたことが良いのか悪いのかという評価はここでは避けます。93年に誕生した細川連立政権の総理大臣は元熊本県知事、内閣官房長官は元滋賀県知事という県の長をやった方々が中央政界のトップとなりました。更にこの時期から地域で生起する様々な問題が起き、特にバブルが崩壊した頃から「どうしてくれるんだ」という対応の必要がある問題が急増し、財政悪化も徐々に見えてきました。92年頃はあまり認識されませんでしたが、94、5年頃から本格的に「どうやらこのままではアカンみたいや」という事が共通認識となりました。 更に、自治体が国より遥かに先んじて始めていたと思いますが、80年代から情報公開がかなり進んでいました。その為に住民からの突き上げを誘う事になりました。特に接待費の公開を求める住民要求に対して、裁判所が次々に公開の判断を下した事で、様々な官官接待が自治体レベルで明らかになってきました。この官官接待が実は自治体を90年代以降大きく変える1つの突き上げ要因となったと思います。この官官接待で明らかになった事は、それまで地方が中央の官僚をもてなし、それで情報を取る事は当たり前であり許される事だという事が地方自治体職員の間に共有されていたということでした。それに対しては、その後マスメディア、住民から様々な批判が出た事で、最終的には「どうやら官官接待はいけない事である」と気づき始めました。更にマスメディアの論調が厳しくなった90年代後半以降相当無くなってきました。 次に「NPMの潮流」と書いています。NPM(New Public Management)ですが、今から10年前、例えば1995年に「NPMをご存知の自治体職員の方おられますか」と聞くと誰も手が挙がらない、しかし今「NPMをご存知ない方は手を挙げて下さい」と聞くとほとんど挙がらない、つまり今ではほとんどの方が「NPM」という言葉を知っています。ところがあまりにも急速に広まりすぎた為に、それについての様々な誤解もたくさんあると私は思っています。この言葉を発明したのは、クリストファー・フッドというイギリスの行政学者でありますが、1990年にこの言葉を出し、欧米諸国では1990年前半にあっという間に広がりました。ところが日本に入ってきたのは、96、7年ぐらいではないかと私は思います。それ以降にようやくこの「NPM」が入ってきましたが、入ったと同時にあっという間に広がり、2001年には経済財政白書に「NPMとは」という解説が出る時代となりました。経済財政白書に出たおかげで、地方自治体は更に大慌てとなり、「これはいかん」という事で誰もが勉強し始めました。ちょうど「NPM」と書いてある本が何冊か本屋に並んでおり、「どうやらこれが正しいNPMだ」と誰もが信じ、一気に数年の間に流されてしまった様に感じます。 少し話がそれますが、上に見てきたような様々な流れの中で、私が是非指摘しておきたい事は、「90年代以降の情報伝達スピードの革命的な発展」です。他の自治体の政策を知り得るスピードと言っても良いかもしれません。従来、80年代までであると、皆さんがどうやって他の自治体の政策を知ったかというと、その自治体にヒアリングに行くか、あるいは何らかの勉強会に出て行って教えてもらうか、あるいはここに書いている様な自治体職員向けの雑誌、「自治実務セミナー」「行政EX」「地方自治職員研修」といった雑誌で知るという事だったと思います。これは後ろの2つ、1番前の本もそうですが、どちらかと言えば昇任試験対策の雑誌であり、「いろんな自治体がこんな事をやっていて、これがこれからの日本を変えていく」という事はほとんど載っていませんでした。「地方公務員法何条に基づくとこうである。○、×」と解説が載っている、これが当時の雑誌でした。ところが90年代後半以降、市販雑誌が相当充実してきました。皆さんも購読しておられると思いますが、「ガバナンス」あるいは従来の「地方自治職員研修」も相当中身を変えてきています。こういった雑誌+総務省が発行している雑誌、「地方財務」や「地方公務員月報」といった雑誌も、実務解説から新たな取り組みを紹介するという方にここ10年変わってきました。こういった情報伝達の媒体があると同時にインターネットの普及というものが、情報伝播の即時性に革命的な進展をもたらしました。住民は他の自治体と比較した場合の遅れを知り自分の住む自治体に直接働きかけたりするようにもなりました。 これがプラスであったのか、マイナスであったのか、これは両方あったかもしれません。NPMの話に戻りますと、現場での大混乱をもたらしました。種々の行財政改革の取り組みをやろうとしている所に「NPM」という言葉が入ってきたために、どこの自治体においても次から次へとNPM型の改革メニューが目白押しとなりました。しかしどうであったか。皆さんの自治体を振り返って頂くと分かりますが、大混乱が起きてしまいました。現場の自治体は大混乱、「事務事業評価システムを入れます」と事務事業評価担当課が全部局に流す、現場では「なんだこれは」「また新しいシステムが増えた」「やり方が分からない」。質問する。「それぞれ考えてやって下さい」、「考えても分からない」という流れを90年代の終わりからどこの自治体でも経験された事だと思います。 改革メニュー「ホッジポッジ」と書いています。これは「ごった煮」と日本語で訳します。おでんの中に色々な具材が入っているイメージです。改革メニューが「ごった煮」されたのが90年代後半以降の事です。カタカナ文字が氾濫する、「PFI」、「BPR」「BS」などのアルファベットスープが並ぶ様な改革メニューが大規模に押し寄せてきました。コンサルタントの方が、商品としての改革プログラムを販売し始めたのも90年代後半からです。特に事務事業評価システムを始めとする、様々な改革プログラムをセットで販売しました。コンサルタント会社は、一番最初に導入しようとする自治体については、まず知識を吸収する為に格安で請け負い、その後同等のパッケージとし他の自治体に販売する事を戦略としていました。 実はこれに対応できなかった現場が多くあったと思います。ある自治体で適用できた事が他の自治体でも適用できるとは限りません。コンサルタント会社としては、改革パッケージとして販売することでコストを抑え、安くおろす事ができますが、それぞれ個別の自治体ごとに作成すると高額となり、入札において負けてしまうので、改革パッケージを売り込む戦略をとりました。そのため現場の自治体が混乱しました。 私は一概にコンサルタント会社を批判しているわけではありませんが、市職員が自ら専門的知識をもって改革プログラムを作るのであれば、コンサルタント会社を利用する事も有効であると考えますが、既存の改革パッケージを買うという行動は絶対に取ってはいけないと思います。 この大改革の波が必ずしもうまくいかなかった理由としては、組織のバリエーションがあり、ある改革がうまくいったからといって別の自治体でもうまくいくとは限らないという事があげられます。そして次にレジュメにも書いているように、時代環境の変化に組織が対応できていなかった事が大きいと思います。なぜならば組織の要、一番の柱である人事制度がそのままであったからです。一番大事なところがそのままで、改革パッケージ、アルファベットスープ、カタカナメニューがどんどん押し寄せたために、90年代以降の自治体の大混乱があるのだと思います。 90年代以降、自治体では様々な対応が必要だったにもかかわらず、十分対応する事が出来なかった事を皆様自身も感じておられると思います。上の方にやる気の無い管理職がたくさん座っていた事も事実でした。その様な中で、「対応できる組織への改革」、「対応できる人材を育成する」必要があると考え、「人事制度に手を付ける必要性」があると私はこのレジュメで結論付けています。 「改革の最大の抵抗勢力は財務課と人事課(のうちの守旧派)」であると書いていますが、これもややシニカルな考え方です。しかしひょっとすると大部分の人は賛成してくれるかもしれません。財務課と人事課は自治体の中で特権階級であると私は思っています。財務課と人事課はものすごく力を持っています。財務課はお金の配分権限、人事課は何か抵抗すると「お前動かすぞ」といったものすごい権限を持っています。私は財務課よりむしろ、人事課の方が持っている権限は大きいと思います。彼らは「エスタブリッシュメント」としての既得ステータスをあまり手放したくはなく、どちらかと言えばあまり面倒な事はしたくありません。従来のままであれば、自分達は役所の中ではずっと陽の当たる道を進み、将来は非常に偉い部長や局長になれるので余分な事はしたくないというのが、一般の人事課あるいは財務課の職員の反応ではないかと思います。改革をしてしまうとそれぞれの権限が少なくなってしまいます。 最近では財務課が枠配分で各所属にお金の配分を行ってもらうようにするところが増えてきました。そうすると財務課の査定権限が消えてしまい、政策配分、つまり留保財源の査定権限のみしか残らない事になり、従来の脅しが通用しなくなります。しかしそれを覚悟の上で、財務課の改革をいろいろな自治体で行っているところです。 人事課は従来、人の配置をする権限、絶大なる権限を持っていました。Aという仕事からBという仕事に移されたら、皆さんにとってものすごく大きな影響があります。「お前の給料を千円上げるぞ、下げるぞ」というよりも、「お前はここの課長であるけれども、今度はここの課長に行ってもらうからな」という方が、その人にとって遥かに大きな影響力があります。実は人事課が持っているその権限が、人事課改革によって制限される恐れがあります。ブラックボックスの中での威嚇効果が無くなる改革を行う事を人事課は恐れ、1つの判断材料にしています。しかしながら90年代以降の自治体改革の中では、「画竜点睛」の人事改革、組織改革に手を付けざるを得ない、やらなければならないと私は思っています。 3.組織・人事制度改革を考える際に考慮すべきいくつかの「ギャップ」 人事改革、組織改革を考える際には、考慮すべきいくつかの「ギャップ」があります。1つは首長と職員との間のギャップ、2つ目は職員と職員との間のギャップ、3つ目は官房系統組織と現場組織との間のギャップです。 首長と職員については、後のディスカッションでのメインの材料ですので、ここではそれほど詳しくは申し上げませんが、首長はやはり政治家です。4年任期で選ばれた政治家です。対して職員は地方公務員法上身分保障され、60歳の定年まで雇用保障されています。その間には当然認識のギャップがあります。 日本の首長のミッションは、イギリスのエージェンシーの長、ニュージーランドの省庁の次官と比べると非常に曖昧です。「住民福祉の向上」、しかしその様なものがたくさん並んでいます。最終的にそれがどのようにどれだけ良くやったかが評価されるか、従来の評価基準によると選挙に通るかどうか、信任されるかどうかであったと思います、しかし再選されるかどうかという事はアウトカム要素がたくさんあります。首長の権限範囲外の事件事故が起こったり、国の政策変更があったりしても選挙結果に影響があります。4年間一生懸命やってきてものすごく成果が上がっているのに、吉本興業の人気タレントがボンと出てきてそちらが勝ってしまう事があります。首長にすれば「一生懸命やってきたのになぜ住民は理解してくれないのか」という事になりますが、大規模な自治体になればなるほど住民は非常に冷ややかです。不確定な外部要因があまりにも多いという事が、従来の首長の仕事の特徴であるともいえます。さらに、首長にとっては任期の4年間でどれだけ自分の政策を実現できるかを考えます。2-3年を単位として改革を目指すことも多いでしょう。しかし当選した当初の1年は既に予算が走り始めており大きな改革は出来ませんし、翌年度の予算編成もある程度終わっている時期に首長になるという事もあるかもしれません。そうなると従来の予算、人事をそのまま引き継ぐ形で首長にならざるを得ないという制度上、1つのネックがあります。 これに対し、職員にとっては定年まで勤める事ができるという非常に長いスパンの自分自身の生活、自分自身の人生、自分自身のライフデザイン、キャリアデザインがあります。これが良い事か、悪い事かとは言いませんが、この様な状況の中で、「変革、変革」と盛んに口にする首長が出てきた場合に、どの様に反応するかというと、様々な反応があるでしょう。多くの改革派首長と言われる方々、古い土地柄の首長と話をしてみると、「職員は面従腹背なんですよ」と言われます。特に「管理職レベルの上の方の職員は、4年の任期が過ぎるのをじっと待っており、その間に降格されない様に一生懸命持ちこたえているのが従来の職員のスタンスである」と答えた首長がたくさんおられます。 首長は普段、非常に高度で極めて上質な情報に日々接しています。また首長同士の意見交換や他団体との比較、クリアにされた財政データに接しており、日々変革の必要性を実感しています。しかし従来の人事、組織、予算を引きずってやらざるを得ず、職員は面従腹背です。これを打開していく必要がありますが、その方法としては後で議論になると思いますが、ミッションを示し、目標を示し、それを更にグループの目標に下していくというカスケードダウンに取り組む必要があります。また人事制度を改革して変革の必要性を実感できる職員、目標を共有できる職員を育成する必要があると思います。 2つ目の職員と職員とのギャップについてですが、団塊以前と団塊世代、団塊と団塊より若い世代との間のギャップです。先ほど20世紀型公務員と21世紀型公務員という分け方もありました。様々な職員同士の間のギャップがあると思います。「考える職員」と「作業しているだけの職員」、「作業効率が良くて時間内に終了する職員」と「作業効率が悪くて残業手当がもらえる職員」という様に、様々職員の間にギャップがあります。一般評価として「自治体職員は能力が無い」という評価がある一方で、「自治体職員は極めて優秀である」という評価もあります。私はどちらも正しいと思います。特に昭和40年代前半までは、「でもしか公務員」が入っていた事が比較的多くありました。30年代、40年代前半まで多かったと思います。しかしオイルショック以降、それは急変しました。民間企業への就職が非常に狭き門となり、非常に優秀な方々が自治体に入ってきた事で、若手のところで自治体のポテンシャルがぐっと上がりました。ところが現場に入ってみると「こんなはずではなかった」と彼らは感じました。上司の課長、係長に全然やる気が無い職員があまりにも多いために、彼らのモチベーションが低下していくという事が40年代後半から50年代に起きました。 「優秀な職員」の意味は、組織により時代により可変的です。道路公団の橋梁談合と書いていますが、道路公団の中においてはどれだけ天下り先を確保できるかという事が、優秀な理事の1つのファクターであったかもしれません。これは今、マスコミの批判にさらされているところです。 私は「組織のミッションを遂行するに足る職員」が優秀な職員であると思いますが、これは必ずしも頭脳明晰、成績優秀ではなく、また「改革、改革」と連呼する職員でもないと思います。日々の職務を十分にこなしながら、しかし変革しなければならない事に気づき、そこに手を付けていく事が必要なのではないでしょうか。つまり従来の職務遂行能力、対人能力と言われたその能力をベースに持ちつつ、最近の自治体職員に求められている、いわゆる問題解決能力、課題解決能力も併せて身に付けていく事が必要となってくると思います。その後者の方だけ、つまり改革が必要であるという事を連呼するだけの職員であれば、私はむしろ組織にとってマイナスになる可能性があります。そういう異端児が居ても良いのかもしれませんが、それは従来の職務を粛々と行っている職員にとってみれば目障りなものでしかないかもしれません。そのギャップをどの様に解決したら良いかについては、私自身まだ良く分かっていませんが、改革連呼の職員と従来の職務を割りと淡々と行っている職員のどちらを重視すべきかという事は、非常に難しい事であると思います。要はどちらでも出来る職員になれるに越した事はないと思います。 3つ目は官房系統組織と現場組織と書いています。人事、財務、企画は間接部門でありますが、この官房系統組織の意識改革が不可欠です。「我々はサポート組織である」という意識を人事や財務が持てるようになると、その組織はかなり変わってくるのではないかと思います。「建制順の変更の提唱」と書いています。建制順というのは、もともと軍隊の編成方針のことですが、転じて政府公報の優先順位を意味します。中央省庁の建制順は、2001年の省庁再編で大きく変わり、従来は一番下位であった郵政省や自治省がトップである内閣府の次に位置づけられました。総務省は「我々は偉くなった」と言っておりますが、国民にとってはどうでもいい事が、官僚組織の中では非常に重要な順番であったりします。 県庁でも市役所でも建制順で言えば、一番上に総務部があり、その中に人事課があるという事が多くあります。上にあるので、総務部人事課は威信をもって仕事をしているのかも知れませんが、本来、サポート組織であるので、一番下にもってきて、上の方に事業部局があるのが当然であると考える事も出来ます。 これは佐賀県庁が昨年の4月から始めていますが、経営支援本部という事で、サポート部門を建制順で一番下にもってくる大改革を行いました。これにより人事課職員の意識改革も相当進むに違いないと考えました。 4.人材育成・人材開発の方向性 最後のページに移ります。今申し上げた様なギャップの解消、自治体の組織改革を進める事がネクストステージであり、自治体改革の最後の一歩であると思います。ではどの様に人材開発をするのか、自治体の人事担当部局の方と話をしてみると、「人材開発、人材育成は研修所の仕事ですよ」と答えられる方がまだおられます(私はほぼいないと思っていましたが)。ところが、「研修所の研修で果たしてそれで人が育つのですか」という職員アンケートを取ると、イエスはだいたい10%を切ります。「では皆さんはどういう時に成長しましたか」と聞くと、「新しい仕事を任せられ、この1年間でものすごく成長した」との答えが多く返ってきます。「視察や合同研修で他の組織の人と接触して認識を深めたとき」「仕事を達成して上司や同僚からほめられたとき」といったものがそれに続きます。人事部と職員の認識には大きなギャップがあります。 「研修所で大学の稲継教授の話を聞いて成長しましたか」と聞いても、「はい」と回答する事はまずありません。その様な事で成長するはずがありません。現場で仕事をしながら覚え、工夫を考え、責任を任されて初めて成長していきます。人が伸びることの基本は「自学」であり、その刺激が人材育成の鍵なのです。 ここを強調させていただきますが、「人は自学で育つ」。これは、研修所研修を何十回も受講した私自身が思います。私は何も、研修所研修がまったく不要だと言っている訳ではありません。自学を刺激する、自学を側面からサポートする研修所研修が必要となってくると思います。 自学を刺激するためには、人事管理と人材育成の連携が必要です。 従来型で言うと職場外研修(研修所研修)プラス自己啓発研修(自己啓発の2分の1補助)、そしてシステム化されていない職場研修がセットになって、人材育成基本方針や職員研修基本方針を作成されている自治体が多いと思います。これを、人事諸制度の工夫、職場研修、プラス、職場外研修に展開していく必要があります。 「人はどういうところに育つのか」を考えた時に、人事の諸制度に手を付けて、ジョブローテンションや仕事の与え方の仕組みをまず考えた上で、職場研修(OJT)をシステム化し、更にそれらを補助するものとして職場外研修を組み合わせていく事が、人材開発にとって非常に重要であると考えています。 人事評価制度につきましては、先ほど小堀さんより岸和田市の紹介がありました。自治体の勤務評定につきましては、地方公務員法上行わなければならないのですが、実際に行っている自治体は50%未満です。法律で行わなければならないと書かれているにも関わらず、ほとんどの自治体で行われていない理由は、やはり従来の勤務評定制度に対し非常にアレルギーがあるからです。これは昭和25年に人事院方式というものが開発され、「この人の性格は温厚」などの項目がある人事院の評定方式を各省庁が昭和30年代に入って使い始めました。自治体においてもこの人事院方式を真似したところが多くありました。しかし果たしてこれで公平な人事評価が出来るのか、勤勉手当に差をつけることができるのかと思えるようなお粗末な評価シートも多くあり、それに基づく人事評価制度が行われていました。 実際の問題として、昭和32、33年に「教員勤評闘争」という非常に大掛かりな闘争がありました。これは愛媛県の教育委員会で定昇を3割ストップしなければ財政が持たないという状況が明らかになり、勤評を入れ、現場の校長が勤評を行い、それに基づき3割の人の定期昇給をストップするという事でした。これについては相当な反発が起こりましたが、文部省は「これは使える」と全国的なレベルでこれを広げていこうと考えましたので、全国的な反対闘争が起こりました。現場で評価を強いられた校長の自殺が、昭和32、33年にかなりの数に上りました。自治体職員、教育委員会にとっては非常に不幸な歴史を背負っています。この勤評闘争という大きなトラウマがあるために、勤務評定に対し、自治体の職員、人事課、職員組合に非常に大きなアレルギーがあります。 しかし人事評価の目的をもう一度考えてみると、人事評価の目的と役割は、「職員の今の状態を、知り、評価し、それに基づき政策を立てて実施する」という事が一つ、それから「職員の行動を変える、行動規範の提示」すなわち、評価は期待の表明であり、期待する人材を指示するという事が評価のもう一つの役割です。人事評価をする事によって職員の能力を向上させることは、住民サービスの向上にも繋がります。人事評価も組織業績をあげるための手段であり、組織のパフォーマンスを上げるための一つの手段に過ぎません。給与に差を付けるか否かは、実は住民にとってどうでもよい事です。住民は、一人ひとりの職員が住民のために適切なコストで一生懸命働いてくれることを望んでいます。人事評価はそれを担う一つのツールに過ぎません。その事から考えると、給与や昇任に結びつけるか否かという議論はどちらかというと二次的な議論になってしまいます。 最後になりますが「自学で人は育つ」と申し上げました。自学を促す研修とするために、やはり研修は職場であり、どういう仕事をその人に割り当てるのか、どういうキャリアデザインでそれをジョブローテションしていくのかという事がまず一番重要な事だと思います。また職場外研修とその改革ですが、職員研修所が不要であるという事では全くないと思います。しかし従来の様な「入って何年目にこの研修を全員が一斉に受けましょう」などの研修メニューでいいのでしょうか。それで人材を育成する事になっていますでしょうかという事です。例えばジョブローテションと組み合わせて、この職場に行った場合にはこういう研修を受けるセットメニューで考える、それぞれの必要に応じてカフェテリアメニューで研修を選ぶ事が出来る様にしていく事も考えていく必要があり、研修担当者の能力が問われていると思います。 それから自己啓発研修で問われているもの、従来2分の1に費用の補助がほとんど唯一のものでありましたが、もっと高次なもの、つまり自学をしている職員に様々なサポートをしてあげるという事をこれから役所として考えていく必要があるのではないかと考えます。 一番最後に書いておりますが行政研修という考え方から、むしろ研修を受けさせるのではなく、自学で人は育っていくのでそれをサポートする為のいろいろな仕組みを作る、自学をしようとして行政を研究する職員を様々にサポートするという事がこれから必要になってきます。小堀さんの話の引用になりますが、「誉められる、認められる、達成感が与えられる」、「自分はこういう研究を行った、こういう成果を上げた」という事が、非常に大きなモチベーションに繋がっていくのではないかと思います。 時間が参りましたので私の話は以上で終わります。ご静聴ありがとうございました。
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(※作者の古い資料で三重県を中部地方としているものがあるが現在は近畿地方扱い。) ⚠日本第三州邦国 各地方自治体 一覧 ⚠全国公営大臣領 (大ノ宮家) 全国公営大臣領 全国公営大臣邸 ⚠北海道・東北地方 (大ノ宮家) 北海道 札幌酪農特営委員会 青森県 本州北端評議会 秋田県 秋田文化県民協会 岩手県 岩手県民総務地方局 山形県 山形北本州政府 福島県 農林水産省福島支部 宮城県 東北改革連盟代表議会 ⚠関東地方 (立入家) 群馬県 本国防衛省特別行政区 栃木県 財務省特別行政区 埼玉県 環境省行政補助機構 茨城県 厚生労働省行政補助機構 山梨県 法務省特別行政区 神奈川県 関東流通圏最高議会 千葉県 経済産業省特別行政区 東京都 第三州邦国新国会議事堂 双路県 新国土交通省双路本部 ⚠中部地方 (停進家) 新潟県 農林水産省新潟支部 長野県 特令省行政補助機構 静岡県 茶摘ノ籠楽座 愛知県 名古屋開発工業組合 富山県 特令省富山支部 石川県 電子技術省石川支部 岐阜県 文部科学省省岐阜支部 福井県 厚生労働省福井支部 ⚠近畿地方 (新天寺家) 滋賀県 近江国湖岸政府 三重県 本州中央評議会 奈良県 奈良遊設環境創造団体 和歌山県 農林水産省和歌山支部 大阪府 関西流通圏構想最高評議会 京都府 笠羅華焙煎茶屋ノ会 兵庫県 国際外務省兵庫支部 戒瑛県 戒瑛水産業新鮮管理局 ⚠陰陽地方 (光影家) 広島県 陰陽楽座 鳥取県 山陰二重統制議会 島根県 山陰二重統制議会 岡山県 国際外務省岡山支部 山口県 経済産業省山口支部 ⚠四国地方 (四神家) 香川県 四神家領食美化行政委員会 徳島県 四神家領西洋文化行政委員会 愛媛県 愛媛聖四神獣王朝 高知県 四神家領舞踏行政委員会 ⚠九州・沖縄地方 (南部家) 福岡県 九州地方公共機構 大分県 自治体業務保全委員会 佐賀県 文部科学省佐賀支部 長崎県 厚生労働省長崎支部 宮崎県 電子技術省宮崎支部 熊本県 特令省熊本支部 鹿児島県 南九州薩摩総務所 沖縄県 琉球王朝再生委員会 ⚠特別統治庁 八百万諸島 八百万諸島特別統治庁 駆亜諸島 駆亜諸島特別統治庁 睛峰台島 睛峰台島特別統治庁 ⚠地球外領土 月面移住都市 月面地球外領土管理局 火星移住都市 火星地球外領土管理局 日本宇宙領 日本宇宙領天体観測所「兎耳宇宙機構」
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[部分編集] 永禄時代の無能な猿で太閤立志伝Ⅱ http //www.nicovideo.jp/watch/sm4468135 使用ゲーム 太閤立志伝 シナリオ・担当勢力 シナリオの設定 動画形態 登録武将 史実武将の扱い 投稿時期 2008年08月30日~09月04日 投稿者名 シーチキン マイリスト 関連タグ 関連サイト 備考 - ストーリー 変更点 簡単な解説 コメント欄 名前 コメント
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(1) 地域協定(LAA:Local Area Agreement)の概略 「地域協定(Local Area Agreement、以下「LAA」という)」は、地方自治体を中心として、民間企業、ボランティア、コミュニティ団体等と構成される組織である地域戦略パートナーシップ(Local Stragestic Partnership)、以下「パートナーシップ」という)と政府とが、双方が合意した地域の政策目標や指標を実現するために締結するもので、パートナーシップは中央政府の窓口となる各地域の政府事務所(Government Office)と交渉を行う。この協定は、政府と地方公共団体との緊密な連携を図るとともに、地方自治体のリーダーシップや地域におけるパートナーシップを活用し、効率的な行政サービスを提供することを目的としている。 LAAは2005年3月からパイロット事業として選定された20の地域で始まり、2006年3月の第二次協定では、新たに66の地域で協定が締結された。 また、2007年3月には第3次LAA協定が締結されており、これにより全てのカウンティ、大都市ディストリクト、ユニタリー、ロンドン区でLAAが導入されたこととなる。 当初のパイロット事業においては、各地域は「児童・青少年(Children and Young People)」、「安全で強固なコミュニティ(Safer and Stronger Communities)」、「健康な社会と高齢者(Healthier Communities and Older People)」の3つの分野(Block)において中央政府と合意した政策を実行するとされていたが、現在ではこれに「経済開発(economic development and enterprise)」の分野が加わり、4分野となっている。 2000年から行われていた地方公共サービス協定(Local Public Service Agreement、以下「LPSA」という)が財政的なインセンティブを設け、特定の分野にのみ焦点をあてているのに対して、LAAは地域におけるパートナーシップが主体となって幅広い分野で取り組みができるよう、行政運営の自由度を与えることに主眼が置かれており、さらに資金の流れを簡素化することによって、財政面における柔軟性を確保している。 LAAにおいては、地域における様々な行政サービスの提供主体が緊密な連携を図ることが期待されたが、行政運営の柔軟性や財政的インセンティブなどの面で評価する声があるものの、多くの自治体から責任団体としてのカウンティの事務負担増、必要な権限を有していない政府事務所が相手であること、パートナーシップの法的な位置づけが曖昧であることといった問題があげられている。 なお政府は2007年2月に、2008年度以降のLAAの方向性を示したガイダンス「地域協定の将来に向けて(Developing the future arrangements for Local Area Agreements)」を発表した。この中ではLAAに対して法的枠組みを与えること、1,200を超える業績指標を再構築し、新たに約200の全国統一指標を策定すること、地域単位で交付される補助金は可能な限り使途を定めない「地域協定補助金(LAA Grant)」とすることが挙げられた。このうち、全国統一指標の策定については、その後NIS(National Indicators Set)として実現を見たところである。(9-2参照) (2) 地域連携協定(MAA:Multi Area Agreement)の概略 「地域連携協定(Multi Area Agreement、以下「MAA」という)」は、LAAよりも広域の自治体を跨いだ、地域の課題解決のために締結されるものである。地域内の他の機関と連携した自治体は、中央政府と協定を締結することで、住宅、交通計画、雇用・職業技術といった分野において、より柔軟に資金配分を行えるようになる。この協定は、地方自治体の行政区画を超えたパートナーシップを通じて、地域経済の成長を促進し、優秀な業績を上げている地域との格差を縮め、住民が住んでいる場所や職業に関わらず、誰もが仕事、スキル、購入可能な価格の住宅を手にすることができることなどを目指している。 なお、2008年7月にMAAが締結された7地域及び2009年1月に締結された3地域は図表1-3のとおりである。 【図表1-3】 地域名 自治体内訳 2008年7月締結 ティーズバレー ダーリントン市、ミドルズバラ市、レッドカー・アンド・クリーブランド市、ハートルプール市、ストックトン・オン・ティーズ市 グレーター・マンチェスター ボルトン市、ベリー市、マンチェスター市、オールダム市、ロッチデール市、サルフォード市、ストックポート市、テムサイド市、トラフォード市、ウィーガン市 サウス・ヨークシャー シェフィールド市、ドンカスター市、ロザラム市、バーンズリー市 リーズ都市圏 バーンズリー市、ブラッドフォード市、カルダーデール市、カークリーズ市、リーズ市、ウェイクフィールド市、ヨーク市、ノース・ヨークシャー県、セルビー市、クレイブン市、ハロゲート市 ハンプシャー南部都市圏パートナーシップ ハンプシャー県、ポーツマス市、サウザンプトン市、イースト・ハンプシャー市、イーストリー市、ファレアム市、ゴスポート市、ハバント市、ニューフォレスト市、テスト・バレー市、ウィンチェスター市 ボーンマス、ドーセット、プール ボーンマス市、プール市、ドーセット県、クリストチャーチ市、イースト・ドーセット市、ノース・ドーセット市、パーベック市、ウェスト・ドーセット市、ウェイマスアンドポートランド市 タイン・アンド・ウィア ゲーツヘッド市、ニューカッスル市、ノース・タインサイド市、サウス・タインサイド市、サンダーランド市、ダーラム県、ノーサンバーランド県 2009年1月締結 レスター、レスターシャー レスター市、レスターシャー県、ブレイビー市、チャーンウッド市、ハ―バラ市、ヒンクリー・アンド・ボズワース市、メルトン市、ノースウエストレスターシャー市、オードビー・アンド・ウイグストン市 リバプール都市圏 リバプール市、ノーズリー市、セントヘレンズ市、ウィラル市、セフトン市、ハルトン市 ペニー・ランカシャー ブラックバーン・ウィズ・ダーウェン市、バーンリー市、ヒンドバーン市、ランカシャー県、ペンドル市、リブルバレー市、ロセンデール市
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基礎情報 中央政府の構造 英国議会の現状 サッチャー政権からブラウン政権までの経緯 EU憲法 ・ユーロ参加動向 地方自治体の法律上の位置づけ パートナーシップを活用した中央政府と地方自治体の新たな関係
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はるカスは、はるネコのことである。 顔出しは全然しないし、おっさんで無職な管理人の資格なんてないバカ。 キッパにいなかった間、ひとりエッチしてたと考えられる。 最近のpcの履歴は、キッパではなく、アダルトサイトが多い。 しかし、ついこの間、クラブ内の「はるネコ」欄にレスポンスをしたことや、スレッドを立てたことから、死亡はしていない ことが分かっているが、その時も、当サイト内で問題になっている「画像投稿ができない」や、「荒らしがいる」などの問題を全く解決せずにそのまま逃げた。さらに置き土産として、サイトの運営時間を縮めていくという行為まで犯した。どうせ運営する気もないのだから、このままでも良い気もしない訳がないが、神経がねじ曲がっているため、そのような思考はなかったのだろう。正真正銘の人間の屑である。死ね